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随時報告(平成28年) | 国会及び内閣に対する報告(随時報告) | 検査結果 | 会計検査院 Board of Audit of Japan

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Academic year: 2018

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全文

(1)

年 金 個 人 情 報 に 関 す る 情 報 セ キ ュ リ テ ィ 対 策 の 実 施 状 況 及 び

年 金 個 人 情 報 の 流 出 が 日 本 年 金 機 構 の 業 務 に 及 ぼ し た 影 響 等

に つい て の 報告 書 ( 要旨 )

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1 検査 の背景

(1) 日 本年金機構に おける個人 情報、情報 システム及び 情報セキュ リティ対策 の概要 厚 生 労 働 省 及 び 日 本 年 金 機 構 ( 以 下 「 機 構 」 と い う 。) は 、 厚 生 年 金 保 険 等 の 被 保 険者 等の基礎年金 番号、氏名、保険 料の納付状 況等の個人 情報(以下「 年金個人情報」 と い う 。) に つ い て 、 社 会 保 険 オ ン ラ イ ン シ ス テ ム 、 機 構 L A N シ ス テ ム 等 で 構 成 さ れて いる年金情報 システムに より管理す ることとして いる。

そ して、厚生労 働省及び機 構は、年金 個人情報がプ ライバシー 性の非常に 高い情報 であ ることなどか ら、年金個 人情報等に 関する情報セ キュリティ を確保する ための対 策等 に関する規程 である情報 セキュリテ ィポリシー( 以下、それ ぞれ「厚労 省ポリシ ー」 及び「機構ポ リシー」と いう。) を定めている 。

ま た、機構は、 インターネ ットに接続 されている機 構LANシ ステム上の 共有フォ ルダ に年金個人情 報を保存す ることは、 原則として禁 止している が、所要の アクセス 制限 やパスワード の設定を行 うことを前 提に、これを 例外的に認 めている。

(2) 年 金個人情報の 流出とその 検証の概要

機 構 は 、 27 年 5 月 、 外 部 か ら 標 的 型 攻 撃 を 受 け て 、 そ の 結 果 、 機 構 L A N シ ス テ ム 上 の 共 有 フ ォ ル ダ に 保 存 さ れ て い た 約 1 2 5万 件 の 基 礎 年 金 番 号 、 氏 名 等 の 年 金 個 人 情 報が インターネッ トを通じて 不正に外部 に流出したと している( 以下、この 標的型攻 撃に よる年金個人 情報の流出 を「流出事 案」という。)。

流 出事案の事実 関係等が取 りまとめら れた検証報告 書等によれ ば、流出事 案を発生 させ た直接的な要 因は、機構 において、 標的型攻撃を 受けた場合 における対 応につい ては 、LANケー ブルの抜線 以外に具体 的な定めがな く、不正な プログラム の感染の 有無 等の事態の確 認が遅れ、有効な対 策が講じら れなかったこ とであると されている。 (3) 流 出事案の再発 防止に向け た取組の概 要

厚 生 労 働 省 は 、 流 出 事 案 の 再 発 を 防 止 す る た め に 、「 情 報 セ キ ュ リ テ ィ 強 化 等 に 向 けた 組織・業務改 革」を27年 9月18日に公 表している 。

(3)

(4) 流 出事案が機構 の業務に及 ぼした影響 の概要

機 構 は 、 年 金 個 人 情 報 が 流 出 し た 者 ( 以 下 「 年 金 個 人 情 報 流 出 者 」 と い う 。) に 対 して、年金個人 情報の流出 に対するお わびを記し た文書( 以下「 おわび文書」という 。)、 基 礎 年 金 番 号 の 変 更 を 通 知 す る 文 書 ( 以 下 「 基 礎 年 金 番 号 変 更 通 知 」 と い う 。) 等 の 送付 を行っている 。そして、 これらの対 応に必要な経 費としては 約10億円が 見込まれ ると している。

ま た、機構は、 流出事案発 生以前には 、国民年金保 険料の未納 者に対して 納付督励 業務 を行っており 、納付督励 業務には、 機構が自ら実 施する業務 (以下「機 構納付督 励 業 務 」 と い う 。) と 、 機 構 か ら 委 託 を 受 け た 民 間 事 業 者 が 実 施 す る 業 務 ( 以 下 「 市 場化 納付督励業務 」という。)とがある 。

し か し 、 流 出 事 案 の 発 生 を 踏 ま え 、 機 構 は 、 2 7 年 6 月 に 通 知 を 発 し 、 一 定 期 間 、 納 付督 励業務の一部 を行わない こととして いた。

(5) 検 査の着眼点

会 計検査院は、 合規性、経 済性、効率 性、有効性等 の観点から 、流出事案 の発生前 にお いて、機構に おける年金 個人情報に 関する情報セ キュリティ 対策は適切 に行われ てい たか、厚生労 働省及び機 構における その実効性を 確保するた めの監査等 は適切に 行わ れていたか、 また、流出 事案の発生 後において、 機構の年金 個人情報に 関する情 報セ キュリティ対 策及び流出 事案への対 応業務は適切 に行われて いるか、流 出事案の 発生 は機構の業務 にどのよう な影響を及 ぼしているか 、その後の 厚生労働省 及び機構 にお ける再発防止 に向けた取 組の進捗状 況はどのよう になってい るかなどに 着眼して 検査 した。

2 検査 の状況

(1) 流 出事案の発生 前における 年金個人情 報に関する情 報セキュリ ティ対策等 の実施状 況 及び流出事案 発生後にお ける年金個 人情報の保存 等の状況

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イ 流出事案の発 生前におけ る厚生労働 省の機構に対 する監査及 び機構の内 部監査の 実 施状況につい てみたとこ ろ、機構で はインシデン ト対処手順 書を策定し ていない な どしていたの に、いずれ の監査にお いても、情報 セキュリテ ィに関する 体制整備 が 十分でないこ とについて 指摘したこ とはない状況 となってい た。

また、監査部 は、所要の アクセス制 限等の設定が 行われない まま年金個 人情報が 共 有フォルダに 保存されて いることを 把握し、機構 の担当部署 に対して改 善要請を 発 していたが、 この改善要 請は内部監 査の結果では ないなどと して機構の 理事長に 対 して報告して おらず、ま た、実際の 改善状況等に 対する監査 等を実施し ていなか っ た。そして、 機構におい て、監査部 の改善要請へ の対応は徹 底されてい なかった と 認められた。

ウ 流出事案の発 生前におけ る厚生労働 省の機構に対 する情報セ キュリティ に関する 指 導等の状況に ついてみた ところ、同 省年金局では 、機構に対 して、所要 の注意喚 起 等を十分に行 っていなか った。

エ 流出事案発生 後の機構に おける年金 個人情報の保 存状況等に ついてみた ところ、 専 用PCのハー ドディスク に年金個人 情報が保存さ れているこ とが確認さ れた。

そこで、会計 検査院は、 機構に対し て、専用PC のハードデ ィスクに保 存されて い る年金個人情 報の有無等 について報 告を求めた。 これに対し て、機構は 、機構本 部 及び全国の年 金事務所等 の専用PC のハードディ スクに保存 されていた 年金個人 情 報については 、28年8月か ら同年9月 までの間に、 専用フォル ダに移し替 えるなど し た上で全て削 除したと会 計検査院に 報告した。

その後、28年 10月及び同 年11月の会 計実地検査に おいて、上記のとお り、機構は 、 年 金個人情報に ついては専 用フォルダ に移し替える などした上 で全て削除 したとし て いたのに、専 用PCのハ ードディス クに年金個人 情報等が保 存されてい ることが 確 認された。

(2) 流 出事案の対応 に要する経 費の支出、 対応業務等の 状況

(5)

し たことにより 支出された と考えられ る経費があり 、これらの 経費を合算 すると計 9418万余円(厚 生労働省分 4687万余円 、機構分4730万余円)と なる。

また、機構が 流出事案の 発生に対応 する経費に充 てるために ねん出した としてい

・ ・

る 財源の中には 、27年度に は支出され ないものの、 28年度以降 において支 出する必 要 があるものが 含まれてい ると認めら れた。

イ お わ び 文 書 又 は 基 礎 年 金 番 号 変 更 通 知 等 が 返 送 さ れ た 年 金 受 給 者 計 6,98 8人 に 対 す る年金支給の 状況につい てみたとこ ろ、年金受給 者の所在が 確認できな いのに、 機 構は、これら の者の生存 等の事実に ついて更に確 認しないま ま年金支給 を継続し て いた。機構に おいては、 年金受給者 の所在が確認 できないと いう情報を 有効に活 用 し、その生存 等の事実を 確認するこ となどについ て検討する 必要があっ たと認め ら れる。

(3) 流 出事案の発生 により中止 した業務の 影響等

ア 機 構 は 、 流 出 事 案 の 発 生 に 対 応 す る た め 、 機 構 納 付 督 励 業 務 の 一 部 を 27 年 6月 か ら 約5か月の間 行っていなか った。

そ こ で 、 上 記 約 5か 月 の 間 に 督 促 状 等 を 送 付 し な か っ た こ と に よ り 消 滅 時 効 期 間 が 経過した国民 年金保険料 の債権額等 について会計 検査院にお いて試算す ると、8, 159か月分、1億 2115万余円 となり、こ のうち、仮に 流出事案の 影響なく督 促状を送 付 できていれば 、消滅時効 が中断され 、消滅時効期 間の経過前 に納付され たと考え ら れ る 国 民 年 金 保 険 料 の 債 権 額 等 に つ い て 試 算 す る と 3,76 9か 月 分 、 5659 万 余 円 と な る。

ま た 、 約 5か 月 の 間 に 特 別 催 告 状 の 送 付 を し な か っ た こ と を 踏 ま え 、 当 初 の 行 動 計 画等のとおり に特別催告 状を送付し た場合に収納 が見込まれ る国民年金 保険料の 額 等について試 算すると、 計759,967か 月分、計118億4788万余 円となる。

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を 行うなどとし て、28年10月に、民間 事業者6社の うち5社に対 して、27年 度分の支 払 済みの委託費 計2億3122万 余円の返還 を求めてい る。

(4) 再 発防止の取組 の進捗状況

27年9月に「情 報セキュリテ ィ強化等に 向けた組織 ・業務改革」 が公表され てから2 8 年 9 月 ま で の 間 に お け る 厚 生 労 働 省 の 再 発 防 止 の 取 組 の 進 捗 状 況 に つ い て み た と こ ろ、 統合ネットワ ーク等にお いて高度な 標的型攻撃に 対応するた めのシステ ム改修等 を行 うなどしてい た。

ま た 、 27 年 12 月 に 業 務 改 善 計 画 が 提 出 さ れ て か ら 2 8年 9 月 ま で の 間 に お け る 機 構 の 再発 防止の取組の 進捗状況に ついてみた ところ、年金 個人情報の 管理・運用 を行う領 域を インターネッ トから完全 に分離した 年金情報シス テムの構築 に向けた取 組を進め るな どしていた。

3 所見

流出 事案の発生は 、年金個人 情報の管理 に対する国民 の信頼を大 きく損ねた ところで あり、 また、機構の 業務に多方 面で多大な 影響を及ぼし ている。そ して、流出 事案の発 生を踏 まえ、厚生労 働省及び機 構は、前記 のとおり、再 発防止のた めの各種の 取組を行 ってい る。

つい ては、厚生労 働省及び機 構において 、会計検査院 の検査によ り明らかと なった状 況等を 踏まえ、次の ような点に 留意して、 年金個人情報 の管理に関 する一層の 体制の整 備を図 るなどの必要 があると認 められる。

ア 機 構において、 厚労省ポリ シーが改正 された場合に は、その改 正内容に準 拠して機 構ポ リシーを速や かに改正す るなどする とともに、厚 生労働省と 機構との適 切な連携 等を 図るなどして 、年金個人 情報に関す る情報セキュ リティ対策 を適切に行 うこと イ 厚 生労働省及び 機構におい て、年金 個人情報に 関する情報セ キュリティ 監査を含め、

同省 の機構に対す る監査及び 機構の内部 監査を一層実 効性のある ものとする こと ウ 機 構において、 年金支給を 適切に行う ために、おわ び文書等が 返送されて いて年金

受給 者の所在が確 認できない という情報 を有効に活用 し、その生 存等の事実 を確認す るこ となどについ て検討する こと

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参照

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